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特別展「土肥氏展 (仮題)」

会場
滑川市立博物館
会期
2026/03/20 から 2026/05/10 まで
康治元年(1142)、現在の滑川市を中心に上市町・富山市水橋の一部にまで及ぶ 広大な荘園「堀江荘」が立荘された。一般的に堀江荘の領主は祇園社(現八坂神社)とされているが、鎌倉時代以降は幕府が設置した地頭による支配も行われた。この地頭の代官(地頭代)として現地派遣されたのが土肥氏であった。 土肥氏は、中世前期に堀江荘地頭代として、そして中世後期には畠山氏の雑掌として中新川地域に根ざした勢力を築いた。当初は堀江荘の中心地にあたる現滑川市堀江を拠点としたが、やがて現上市町舘へ進出して弓庄城を築くなど拡大を図ったことで、堀江系土肥氏と弓庄系土肥氏に分派したと考えられている。 そして中新川地域の雄として戦国の世を生き抜いてきたが、佐々成政の猛攻により城を落とされ、国を追われたことで流転の運命をたどることになる。はじめは越後国の上杉氏を頼り、やがて出羽国の最上氏に仕えたものの、内乱に巻き込まれて一族の多くは命を落とし、一部の家臣のみが辛うじて北陸へ逃げ帰るという有様であった。 悲惨な結末を迎えた一方で、土肥氏の栄枯盛衰は生き残った家臣の有沢氏により『土肥家記』としてまとめられた。本展では『土肥家記』をもとに彼らが生きた戦国時代を追体験しながら、全国各地に遺るゆかりの文化財・伝承などを紹介する。 ①堀江城・弓庄城落城以前(富山県内ゆかりの文化財) ②越後への退去から滅亡後まで(新潟県内山形県内の文化財)
会場
滑川市立博物館 企画展示室2、第2常設展示室

観覧料
無料

休館日
毎週月曜日、祝日の翌平日

開館時間
午前10時~午後6時 ※最終入館は午後5時30分

主催
滑川市教育委員会・滑川市立博物館

協力
高岡 徹氏(とやま歴史的環境づくり研究会代表)
①展示指導
②展示図録執筆
③資料調査
④関連イベント講師
関連イベント
①記念講演会 高岡 徹氏
②土肥氏にまつわる城郭等見学会
③展示解説会 担当学芸員 会期中複数回(いずれも11時〜14時〜の2部制)

その他
とやま歴史的環境づくり研究会編 『土肥氏ルポルタージュ(仮題)』を委託販売

主な展示資料(予定)
【暫定】
・『土肥家記』(加越能文庫・金沢市立玉川図書館近世資料館蔵)
・弓庄城跡出土遺物(上市町教委蔵)
・小森窯跡採集遺物(滑川市立博物館蔵)
・『世臣譜』(新発田市立歴史図書館蔵)
・『鶏肋編』(致道博物館蔵)
【候補】
・永禄6年銘銅製経筒(個人蔵・滑川市指定文化財)
・上杉景勝の制札(櫟原神社蔵・滑川市指定文化財、天正10年)
・上市黒川遺跡群出土遺物(上市町教委蔵)
・黒川窯跡採集遺物(上市町教委蔵)
・山下窯跡出土遺物(立山町教委蔵、 富山県埋蔵文化財センター蔵?)
・越中瀬戸焼古文書(上瀬戸区長蔵?)
・天文24年銘木造獅子頭(立山寺蔵)
・「上杉文書」(米沢市立上杉博物館)など
【パネル】
・土肥氏関係城郭の縄張り図
・『土肥家記』 の舞台となった各地の写真